「五悪」とは?~世界の視点から考える食のリスク~

四毒抜きについて知ろう!

私たちが毎日口にしている食べ物は、実は「便利さ」「効率性」と引き換えに、健康や環境に負担をかけていることがあります。その代表が「五悪」と呼ばれるものです。では「五悪」とはなんなのでしょうか?

「五悪とは?」

  1. 食品添加物
  2. 農薬
  3. 化学肥料
  4. 除草剤
  5. 遺伝子組み換え食品

一見するとどれも「食品の安全性を保つため」「効率的に農業を行うため」に存在しています。
これらは現代農業と食品産業を支える一方で、リスクも指摘されています。体に取り込まれたとき、長期的にどのようなリスクを抱えるのかを知っておくことはとても大切です。今回は日本だけでなく、海外の事例や規制も交えて見ていきましょう。


食品添加物 ― 日本は“緩い”のか“厳しい”のか

日本では約1,500種類の食品添加物が使用可能とされています。これは世界的に見ても多い部類です。例えば、EU(欧州連合)では禁止されている添加物が日本では許可されているケースもあります。

代表例は「タール系色素」や「安息香酸ナトリウム」など。EUは子どもの行動や健康に悪影響がある可能性を理由に規制しましたが、日本では今も使われています。

一方でアメリカはどうかというと、米国FDA(食品医薬品局)がGRAS(一般に安全と認められる物質)リストを公開しており、企業が自主的に申請・承認を進めています。そのため「自己責任で選ぶ」文化が強く、日本のような国主導の規制とは性質が異なります。


農薬 ― 日本は“世界一の使用量”?

日本は国土が狭く高温多湿なため、病害虫が発生しやすい環境です。そのため農薬の使用量は世界でもトップクラス。農林水産省のデータによると、面積あたりの使用量はアメリカの数倍にもなります。

一方、EUではネオニコチノイド系農薬を禁止するなど、環境やミツバチへの影響を考慮した厳しい規制が進んでいます。アメリカでは規制が緩やかですが、近年は消費者の「オーガニック志向」が強まり、有機農業が拡大しています。

農薬は、害虫や病気から作物を守るためのものですが、食材に残留することで私たちの体に入ります。

  • 神経系への影響:有機リン系農薬は神経伝達物質を阻害し、しびれや頭痛、慢性的な神経障害の原因になることがあります。
  • ホルモンかく乱作用:一部の農薬は「環境ホルモン」として体内に作用し、内分泌系を乱す恐れがあります。これにより不妊症やホルモン関連疾患のリスクが高まる可能性があります。
  • 発がん性:国際がん研究機関(IARC)が一部の農薬を「発がん性あり」または「発がん性の可能性あり」に分類しています。

つまり、日本は「規制よりも効率を優先」、EUは「環境や健康を優先」、アメリカは「市場の選択に任せる」という三者三様のアプローチを取っているのです。


化学肥料 ― 環境汚染との闘い

化学肥料は、収量を増やす一方で土壌や水質汚染の原因にもなっています。特に窒素肥料の過剰使用は地下水汚染や温室効果ガスの発生につながります。

EUでは「硝酸塩指令」という規制があり、農家が使える窒素肥料の量に制限を設けています。アメリカでも水質保全を目的に州ごとの規制が進められています。

対して日本は規制が緩やかで、依然として化学肥料への依存度が高いのが現状です。環境保全よりも「収穫量確保」を優先する傾向が見られます。

確かに化学肥料で育った作物は、大きく立派に育ちますが、その分ミネラルバランスが崩れやすいとされています。

  • ミネラル欠乏:土壌が痩せ、鉄・亜鉛・マグネシウムなどの微量栄養素が不足した作物が増えています。これにより貧血や免疫力低下を招く可能性があります。
  • 硝酸態窒素のリスク:化学肥料で育った野菜には硝酸態窒素が多く残留し、体内で発がん性物質に変化することがあります。
  • 生活習慣病との関連:栄養バランスを欠いた食生活は、肥満・糖尿病・高血圧などのリスクを高めます。

つまり、見た目には立派な野菜でも、実際には「栄養密度の低い食品」になっていることがあるのです。


除草剤 ― グリホサートをめぐる世界の分断

世界で最も使われている除草剤が「グリホサート」です。米モンサント社(現バイエル社)が開発したもので、ラウンドアップという商品名でも有名です。

しかし、2015年にWHOの関連機関IARCが「発がん性の可能性あり」と発表して以降、規制が広がりました。

  • EU:一部の国(フランス・オーストリアなど)は段階的禁止を決定
  • アメリカ:訴訟が相次ぎ、モンサント社は数千億円規模の和解金を支払った事例あり
  • 日本:逆に2017年に残留基準を緩和し、海外と逆行する動き

この点でも、日本は「利便性」を優先していることが見て取れます。


遺伝子組み換え食品 ― 世界で最も意見が割れるテーマ

遺伝子組み換え作物(GM作物)は、アメリカやブラジル、アルゼンチンなどで広く栽培されています。アメリカでは大豆・トウモロコシの9割以上がGM作物で、家畜飼料や加工食品として消費者の口に入っています。

しかしEUでは、消費者の不安が強く、商業栽培はほとんど禁止。輸入する場合も「遺伝子組み換えかどうかの表示義務」が徹底されています。リスクの例としてはこのようなことが考えられています。

  • アレルギーの可能性:新しいタンパク質を作り出すため、従来にはなかったアレルゲンが生まれる可能性があります。
  • 腸内環境への影響:一部の研究では、組み換え作物由来のDNA断片が腸内細菌に取り込まれる可能性が指摘されています。
  • 長期的リスクが未解明:数十年にわたる追跡研究が不足しており、完全な安全性は証明されていません。

EUが慎重姿勢を貫いているのは、この「未知のリスク」が大きいからです。

日本はというと、輸入大国でありながら、表示義務は一部の食品だけ。しかも「遺伝子組み換えでない」という表示は任意に変更され、消費者が選びにくくなったという批判もあります。


世界の流れと日本の課題

こうして見ると、日本は「五悪」に対して世界的に“規制が甘い”国であることがわかります。

  • 添加物 → EUより緩い
  • 農薬 → 世界トップクラスの使用量
  • 化学肥料 → 環境規制が弱い
  • 除草剤 → 海外が規制、日本は緩和
  • 遺伝子組み換え → 表示が不十分

一方で、世界的には「環境」や「健康」を重視した規制強化の流れが進んでいます。消費者の声が大きな変化を生み出しているのです。


私たちにできること

五悪を完全に避けるのは難しいですが、選択の余地はあります。

  • オーガニックや無添加の食品を選ぶ
  • 生産者の顔が見える食材を購入する
  • 海外の規制や事例を学び、比較してみる
  • 「安さ」より「安全性」で食材を選ぶ

未来の食環境は、行政だけでなく、私たち消費者の選択によって変わっていきます。


四毒と五悪どっちを先に抜けばいいの?

四毒抜きと五悪抜きどっちを先にすればよいかというのは、確実に四毒抜きになります。
五悪抜きは世間一般でいうオーガニックというものです。確かに体にはいいかもしれませんが、それで病気が治った、健康になったとは聞かないようです。

四毒抜きをすることで、花粉症やアトピー性皮膚炎、基礎疾患などが解消された事例は多いようなので、まず四毒抜きをしましょう。できれば五悪も抜いていくという流れが良いと思います。


最後に

「五悪(食品添加物・農薬・化学肥料・除草剤・遺伝子組み換え食品)」は、現代の食を支える一方で、健康や環境に+影響を及ぼすリスクがあります。特に海外と比較すると、日本は規制が緩く、私たち自身が賢く選ぶことがますます重要になっているのです。

便利さの裏に潜むリスクを知り、「世界の事例」を参考にしながら、自分と家族の食を守っていきましょう。

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